第198章

野呂栞は島宮奈々未の強がりをあえて暴かず、白井小鳥と並んで花壇の縁に腰を下ろした。

三人の美女が並んで座れば、橘色の街灯の下では嫌でも目を引く。夜の景色に、そこだけ切り取ったみたいに浮いて見えるほどだ。

島宮奈々未は両手で顎を支え、目の前で乱闘している男どもを眺めながら言った。

「野呂栞。あの人たち、こんな夜中に何をそんなに揉めてるの?」

「姉さん、左の先頭にいる男、見えます?」

野呂栞が指さしたのは、上半身を晒したまま殴り合いの輪を割っている男だった。

「あいつは有賀海雲。親父さんが昔、天狼の古参でね。少し前に亡くなった。そしたら一気に『次の二番手はこいつだ』って担がれて……近...

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